第55代部会長 福本 隆史
2025年度 日本青年会議所 農畜産部会
スローガン
伝統の承継と新たな息吹
農畜産部会は1970年に15番目の業種別部会として誕生しました。昭和、平成、令和の時代を歩み、国内・海外情勢の変遷を乗り越えながら長きにわたり農畜産部会を存続し、今もなお私たちの活動を支えて頂いている先輩諸氏に大変感謝申し上げます。
54年間積み上げた歴史と伝統ある農畜産部会第55代部会長の職をお預かりするにあたり、礎を築いていただいた先輩諸氏に心より感謝すると共に、この部会の無限の可能性を一つでも多く形として残し、次の時代へ継承していく事をここにお誓い申し上げます。
【会長所信】
農畜産部会は、1970年に15番目の業種別部会として設立されました。
その本部会は、本年で55年という節目を迎えます。本部会が設立された1970年には、日本万国博覧会が大阪の地にて開催され、日本の科学技術の未来を象徴する様々な展示が披露され、明るい未来へのビジョンを描いていた時代でした。そして、設立から55年の節目を迎える2025年には奇遇にも、再度、大阪の地で日本万国博覧会が開催されます。ここでは、「いのちをつむぐ」をテーマにしたパビリオンが設置されますが、「いのちをつむぐ」を生きること、すなわち、「食べること」と定義し、いのち一つをつむぐのにどれだけのいのちが必要か、また、いのちをつむぐために我々が何をしていけばよいのかを考えるきっかけにしています。本部会はまさに、「食」を担う業界団体であり、誰よりも率先して「いのちをつむぐ」ことを考える必要があります。他方、1970年から55年の月日が流れる中で、日本は、バブル崩壊、O―157問題、BSEの日本国内での発生、コロナウィルスの蔓延等に代表される数多の困難な状況に遭遇し、日本の世界における立ち位置も大いに変化していき、それらの問題は、農畜産業にも多大な影響を及ぼしてきました。本部会において私がまさに経験したコロナウィルス問題に対し、本部会の諸先輩方や会員は、卸売からオンラインを含めた小売への転換の推進や、ピンチはチャンスと新事業への進出をしたり、部会員同士の絆を活かした互助の精神で乗り越えてきました。本部会が今もなお存続しているのは、先に挙げた他の問題への対応の際にも同様に、本部会の持つ力が発揮された結果です。現在、本部会の内情に目を向けると、近年の歴代部会長の尽力により会員の拡大が奏功し、部会という組織体の維持・発展に成功していますが、二代続けて農畜産業以外を生業にする部会長が誕生していることが象徴するように、「農畜産」部会とはなんぞやというアイデンティティが揺らいでいる時期にあります。他方で、継続的な拡大により、徐々に、農畜産業を本業とする部会員が増えてきています。そこで、農畜産業を本業とする会員たちの増強をより推進しつつ、現役会員の中で在籍年数が最も古く、その伝統と歴史を知る私が、その会員たちに本部会の伝統を承継しつつ、同会員が部会長となるようなあるべき姿に戻す礎を築きたいと思っています。但し、近年続いてきた他業種との価値観・知識の交錯や融和を得続けるということが前提にあります。私は、本部会の諸先輩方や部会員が、様々な問題を克服してきた知識や経験と他業種の持つ知見を直接交差させることが出来る対話の場を提供することで、部会員が現状抱えている様々な問題の解決策や、社業への新たなアプローチの方法等を模索できる部会員同士の深い交流を実現します。また、遠征系の事業において、普段接する機会がほぼない地域の住民の生活や価値観・歴史に触れ、新たな学びや気づきを得る機会を提供することで、部会員が社業において新たな価値を創造することの手助けが出来るようにします。さらに、農畜産業を本業とする現役会員たちの増強を行い、同会員を積極的に組織運営に関与させつつ、農畜産業の部会長を誕生させるような土壌を醸成します。そして、本年度は、本部会創立55周年を迎えます。55周年事業は、本部会の伝統を現役会員に承継し、受け継ぐ最適の場です。この周年事業により、諸先輩方が培ってきた経験や伝統を承継すると共に、他業種との融和が生み出す次代の農畜産部会の姿を提示いたします。そして、食を通じていのちを考えることにスポットライトが当たっている昨今、様々ないのちを扱う本部会だからこそ、改めてその価値につき考えるきっかけとし、部会員たちの人間力を深化させるような周年事業とするべく邁進致します。
【基本方針】
今までに経験したことのない実体験を享受する機会を提供することにより、会員が有する固定概念を覆すべく、国内・海外ミッションを主軸とし、新入会員同士や先輩諸賢との相互理解を育むとともに、これからの自分たちのビジネスの在り方を議論する場を創出いたします。